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by under-heart
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絶景

東京もようやく紅葉が始まったようです。

そんなニュースを見ながら、花鳥風月を愛でる心持で思い出すことは一人暮らしをしていた時の事でした。

季節の移り変わりを心のヒダで感じ、四季ある日本の美しさへの儚さと美しさとを身体に染み込ませて育った田舎暮らしの幼少時代があったおかげで、一人暮らしの青年時代へ移っても春夏秋冬の雅なる趣きを忘れる事は出来ませんでした。

それはそれは、白一面に輝いた、雪の降る日そのもの。
肌を刺す寒い一日の初めに、暖かく湯気を匂わせる、炊飯ジャー。
美しい冬の出来事でした。

それから・・・。

乾燥した冬を、一人じっと、雪解けを待ち、鳥と声を待つように、じっと待ち続けた炊飯ジャー。
カピカピに乾燥するその姿は、ほんのり桜色でした。
浮き足だつ春の景色。


それから・・・。


憂鬱な雨ばかりが心を鬱にする梅雨がやってきて、湿気が部屋に立ち込めました。
しかし、「止まない雨は無いんだよ」と言わんばかりに山々は生命の息吹を一度に吹き上げるように、炊飯ジャーも生命の限りを尽くさんばかりの大演出。
蓋を開けばまさに、
「新緑、萌えいずる夏」
緑一面のファンタスティックな夏の世界。



それから・・・。



暑い太陽の下で、思いの丈を精一杯に伸ばし終えた木々達は、迫りくる寒気に備え、身支度を始めます。
そう、それは一年で一番美しい、恋の季節。
炊飯ジャーも「紅葉の季節」。

蓋を開、もう、赤やら、青やら、うっ、黄色やら、おえっ、緑やら・・・、
ごめん!もう、それ以上、凝視できないや!ごめん!
これこそ、


「言葉にならない・・・」


炊飯ジャーだけに、次に開けた時にはピッコロ大魔王あたり出てきそうでしたので、そのまま、蓋を閉めたまま、とりあえず、冷蔵庫に入れてみたのですが・・・。

それから・・・
by under-heart | 2006-11-24 23:13 | by the wey