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「食堂かたつむり」著・小川糸

「食堂かたつむり」著・小川糸

二日で読み終える。

面白い、ま、小説的ファンタジーな所はあるが、職業柄さらに料理を想い、好きになれる。
そこは食に関わる仕事でなくても共感できる部分は多いとおもう。

簡単なあらすじは、
男に全てを盗られ自分だけ捨てられた倫子(倫の字は不倫の倫と思っている)は、15歳で飛び出し10年間夢を追った東京を後に、実家のある田舎へ帰る。
残されたものは、料理のできる自分自身とヌカ床。
嫌悪する母に借金し、飼い豚エルメスの世話をしながら一日一組の食堂を開く。

もちろん、内容も面白いのだが、なにより、本は、ナゼその本と出合ったのかも重要だと思う。
この本になぜ、どんな経緯で至ったのか。
なぜ手にとったのか?

そのルーツを考えてみると人生のすべてがきっかけになっているようで面白い。
あの出来事も、あの時の不幸も、思い出したくない不運も、もし、この本に出会えて本当に幸せなら、今、考えるとすべての事がうまくいっているんじゃあないだろうか?と思うことができる。

この本は、最近出会ったある人との会話の中でポツン出てきたものなのだけど、なんだか大袈裟に考えると、すべて偶然で、正しいものをした気がする。

あたしの人生はやはり、出会いの人生だと思う。

それ無しでは生きて行けない。

「上州人、朴訥として、誠実なるを・・・」

といった、内村鑑三だったかの詩を、昔、父が書き、

「お前そのものだな」

といった事がある。

要するに、
「上州人は無知で不作法な田舎者だけれど、ただ誠実を持って人と接する事により、己の道を開く事ができる。」
といった詩である。

田舎に帰ってきてから、大事な出会いが少しずつ出来た。
良し悪し含めいろんな人と出合った。
人だけでなく、文化、教養、社会、そして今回の本といったたぐいまで、全て出会いの範疇。
その度に、一人前だろうとおもっていた自分の小ささを知り、少しずつ変わっていった。

まだまだ、出会いは続くだろうし、探していくだろう。
父の言葉を信じて。
by under-heart | 2009-02-13 00:16 | beyond description