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by under-heart
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スモモ話  ⑥話 書きかけ

 この仕事の話をくれたのは実は製作会社の友人Mではない。
 もともとはMがシナリオライターを目指す友人Uへ発注した依頼だった。ややこしいのだが、ここでまたIという人間が出てくる。「あたし」も「M」も「U」も「I」も全員同じ大学の研究室である。が、Mがシナリオを頼んだのはUとIである。なぜなら、あたしは研究室にあまり顔を出さず、文句ばかり垂れていたので近付き易くはなかったのかもしれない。

 しかし、この「U」という男は人一倍人見知りで出不精、仲の良い大学の友人は前述の「I」一人しかいないくせにあたしにだけは興味を持ち、180を越える身長の上から「遊んで下さいよ」とあたしの頭上でぶつぶつ言い下ろしてきた。その為に学生時代の後半にはよく遊びに連れて行ったのだが、と、言っても、東京の街をひたすら連れ回しただけだった。ところがこの男は、始終ポケットに手を突っ込み、ラバーソールを履き、「疲れた」と高い所から文句を言いながらも懲りずに付いて来ては、飲めない酒を一生懸命練習するつもりで強がりながら、顔を青ざめ、あたしに付き合っていた。

「M君から連絡あったんスよ、僕とIに。でも会社的には若いヤツのシナリオは数がいくらあってもよさそうだと思うんで、下心さんもどうスか?ギャラは僕とIが貰ったやつを三分割すれば文句ないと思いますし、勝ったモン勝ちの企画だし、一緒にやりましょうよ」

 これが初めての仕事だった。

 そのMからの電話。
「だって、バレエなんて知らないっすよ、ぜんぜん書けないっす。ギャラはIと分けて下さい」
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by under-heart | 2007-01-18 20:26 | beyond description